韓国との準決勝を5対2で制し、決勝に駒を進めた侍ジャパン。
4試合中2試合がサヨナラ勝ちと勝ち上がりは決して楽な道のりではなかったが、その中で目立つのが“常勝”ソフトバンクに在籍する選手たちの勝負強さだ。
柳田悠岐、甲斐拓也、栗原陵矢、千賀滉大の4人が侍ジャパンのメンバーとして戦っているが、今季パ・リーグで苦戦するチームの憂さを晴らすかのような活躍を見せている。
オープニングラウンド第1戦、7月28日のドミニカ共和国戦から存在感を発揮したのが柳田だ。3打数2安打1四球と恐怖の6番打者として、敗色濃厚だったチームの勝利に大きく貢献。9回にはサヨナラの足掛かりとなる内野安打で出塁した。
「あれはおそらくオールスターのホームラン競争だと思うんです。大谷君(翔平・エンゼルス)の影響を受けてみんなが必死に振ったと思うんです。あの故障は長引くと思うんです」(藤川球児/7月25日TBSラジオ「石橋貴明のGATE7」)
五輪開幕直前は出場が危ういのではという声もあった。7月17日のオールスター第2戦で右脇腹に違和感を覚え、19日からの五輪事前合宿(仙台)では別メニュー調整でのスタート。打撃だけでなくセンターでの守備力も高い柳田は侍ジャパンの中核と言えるだけに心配されていた。
「藤川氏ではないが、最も心配された部分だった。柳田が出場できなければチームにとっては大きな痛手。初戦から結果も出してくれて稲葉篤紀監督が一番ホッとしたのではないか。その後の活躍も含め『柳田の存在』の大きさを感じさせてくれた」(NPB関係者)
柳田はノックアウトステージ第1戦、8月2日アメリカ戦でも5打数2安打2打点と活躍。1点ビハインドで迎えた9回裏には、1死一、三塁の場面でセカンドゴロで三塁走者を生還させ、チームの窮地を救った。
そしてアメリカ戦で、延長10回にサヨナラ打を放ったのが甲斐。その直前タイブレーク制の無死一、二塁から犠牲バントを決めたのは栗原だった。ここでもソフトバンク勢が侍ジャパンを引っ張った。