コロナ禍ですっかり定着したリモートワークも、生活空間が乱れる一因だ。整理収納アドバイザーの中山真由美さんは語る。

「在宅時間が増えるにつれて物が増え、収拾がつかなくなっている人も多い。捨てる、片付けるという考えをいったん脇に置いて、まず“区別する”ことから始めるのが大切です」

 特にリビングにはさまざまな物が散乱しがちだ。それらを「捨てなきゃ」「片付けなきゃ」という発想から入ると、片付けが苦手な人は手が止まってしまう。そうではなく、種類別に区別するだけでいいのだという。

「テーブルの上に散らばった紙類を束ねて、文房具類やお菓子類、雑誌類など、種類ごとに分けて集めてください」(中山さん)

 種類別にまとめたら、次に考えるのは置き場所だ。おすすめは“枠”を使った収納法。例えば、毎日のように届くダイレクトメールなどはすぐにチェックできないし、いちいちファイルに入れるのも面倒だ。そんな時は、専用のカゴを用意してとりあえず入れ、「1週間に1度見ればいい」とルールを決めて目につきやすい場所に置いておく。

 テレビやエアコンなどのリモコン類、健康グッズなどは種類ごとにトレーやケースに入れ、「これは見せる収納」と割り切ってテーブルの端にまとめる。

■ちょっと高いゴミ箱を

 スッキリ見せるポイントは、収納グッズはできるだけ落ち着いた色みで、「かわいいな」と愛着のわく物を選ぶことだ。

「100円ショップで購入した物だと、部屋の中の他の物となじんでしまって大切にされないことが多い。実はゴミ箱も一緒で、安いゴミ箱を使っている家は散らかっていることが多いんです。あえてちょっと値段の高い物を買って、“枠”を常に意識するようにしてください」(同)

 使い勝手のよさで言えば、キャスター付きの3段ワゴンもおすすめ。ティッシュやリモコン類のように、ソファ周りでもダイニングテーブルでも使う頻度の高いものをキャスターワゴンに置いておくと、見た目がスッキリするだけでなく、自分と一緒に移動できるので便利だ。

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