コロナ禍で増えたマスクや食料、生活雑貨やPC用品。いちいち片付けたり捨てたりしなくても、スッキリ見せて便利に使いこなすコツがある。AERA 2021年8月9日号から。
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日常的に使う物は「あえて外に出して見えるところに置いておく」という手法は、実家でもわが家でも効率的だ。
コロナ禍で生活必需品になったマスクや消毒液は、わかりやすい場所に置いておくのがいい。個人宅や企業内での整理収納コンサルティングを行う古堅純子さんは、「リビングにたとえばワゴンを置いてそこに置いてもいいし、シニアならリビングと玄関の2カ所に置くのがおすすめ」と語る。帰宅時に手指消毒するなら玄関が最適だし、もしマスクをつけ忘れても室内まで戻る必要もない。玄関に鏡を置いておけば、外出時に自分を確認して、マスクのつけ忘れを防止しやすい。
マスクや消毒液のみならず、コロナ禍で、私たちの周囲に物は確実に増えた。数日買い物に行かなくてもいい食料や水、タブレットなどのテレワーク用品、おうち時間をハッピーにする調理器具、健康器具──。5千件に及ぶ片付け相談の経験と心理学をもとに作り上げたメソッドで女性たちの「片付けの習慣化」をサポートする西崎彩智さんも、「受講生もスタッフもどの世代でも『家の中の物が増えた』という話を聞く」という。
「マスクは、玄関先に家族それぞれのフックをつけておき、使用したマスクを引っ掛けておく。布マスクを使っているなら、マスク専用のネットを100円ショップなどで購入し、洗濯機の横に掛けておく。使うごとにそこに入れて洗えば、なくしづらくなります」とアドバイスする。
■区別するだけでいい
一方で、今の時代にマッチした物が増えたら、マッチしなくなった物を減らし、物の全体量を保つことも大切だ。そのためには、「自分が一番すてきと思える未来を書き出す。その未来に何を持っていきたいか、自分へ問いかける」こと。持っていきたいと思うなら残す、いらないと感じたら捨てる。その中には、「好きだけど未来に持っていかなくてもいい」というものも含む。西崎さん自身、以前はケーキ作りが趣味で道具を長年保管していたが、忙しくて何年も作る時間がなく、子どもも独立してふるまう機会が激減したことに気付き、処分したことがある。