『小此木八郎氏 横浜市長選出馬の真相と現状』と題された怪文書が撒かれ、菅首相、小此木氏がIR推進から中止に変節した経緯などが詳細に記されていたが、真相は不明だという。

 IR誘致を推進してきた現職の林氏は演説で「突然、(IRを)やらないということになって、いまだに理解できない。今までやってきたことは何だったのか。こんな不実があっていいのか。政治に信義はあるのか」と怒りをぶちまけている。

 自公両党も賛成し、IR事業者選定の段階まで進めてきたにもかかわらず、菅首相は誘致とりやめを訴えた小此木氏の全面支持を表明。自民党市議36人のうち30人が小此木氏についた。自民党の市議は困惑気味にこう語る。

「小此木氏がIR誘致反対で自民党の横浜市議団とは逆の政策を打ち出したんです。自民党は自主投票とせざるを得なかった。菅首相周辺が横浜市内の企業へ圧力をかけているという噂も聞きます。それに嫌気がさして、選挙に力が入らない市議、県議もけっこういますね」

 そして菅首相の「失態」が小此木氏にも重くのしかかっているという。
自民党の閣僚経験者はこう言う。

「菅首相の広島の読み飛ばしの報道があった後、横浜市の支援者から電話があった。『菅首相の失敗があると、横浜市長選挙で小此木さんを応援しづらくなる。支援を広げられない』とやんわり協力を断られた」

 前出の横浜市議は選挙の情勢についてこう語る。

「陣営は当初、横浜で小此木の看板があればと楽勝ムードだった。それが情勢調査で林氏と3ポイント、山中氏と7ポイントの差と聞いて、ビックリ。現場でやっていても有権者の反応はよくない。コロナの新規感染者が日々、増加する横浜では、数字が発表されるごとに50票、100票と減る感覚があります。小此木氏自身も圧勝ムードが一転して『手を抜くな』とハッパをかけています。最大の争点はIR誘致の是非だが、それより菅首相の動向、コロナ感染拡大の方が有権者の関心は高いように思える。少なくとも菅首相に新規感染者の数を抑えてもらわないと、横浜市長選挙はやばいですよ」

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党内では「菅おろし」の声も