小池百合子東京都知事(c)朝日新聞社
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 小池百合子知事への風向きが変わってきている。感染拡大する新型コロナウイルスへの対応が大きな要因だろう。東京都内では8月16日、月曜では過去最多の2962人の新規感染者数が確認されたほか、重症者数は7日連続で過去最多の268人が確認された。

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 緊急事態宣言が出ているにもかかわらず、都内の光景には変化がみられる。駅では通勤ラッシュが珍しくなく、リモートワークが進んでいるとは言い切れない。飲食店は酒類の提供停止と午後8時までの時短営業が要請されているが、繁華街の映像が映し出されると、深夜まで営業している飲食店の数が見られ、20代の若者を中心に路上を行きかう人の数も多い。公園でも路上飲みの光景が見られる。

「緊急事態宣言が延長に次ぐ延長で効力がなくなってきている。十分な説明責任がないまま東京五輪を開催した代償は大きい。国民の間で政治不信が募り、国や東京都の呼びかけに耳を傾けなくなっている。飲食店の経営者に話を聞くと、『もう小池さんの話は聞いていられない。納得する説明もなく、我慢してくれの一点張り。それなら、なぜ政府と一緒に東京五輪開催に賛同したのか。これ以上我慢していたら店もつぶれてしまう』と話していました。菅首相だけでなく、小池都知事も都民の求心力を失ってきている状況です」(テレビ局の政治部記者)

 小池都知事は13日に記者団からコロナの感染拡大で医療体制がひっ迫していることに質問が及ぶと、「外出を控えてください。今日もたくさんの人が出ておられますが、大雨もコロナも同じです。災害になります。よろしくお願いします」と呼び掛けた。だが、その災害と捉えたコロナ感染拡大の状況で、政府と共に東京五輪開催へ突き進んだ。この矛盾に対し、説明責任を果たしているだろうか。

 12日の東京都のモニタリング会議では、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長が五輪の影響について言及。「感染リスクが高いにもかかわらず、五輪競技場の周辺や沿道では、大勢の人が集まり、応援する姿が見られた。いま一度、屋外であっても密集・密接することは、感染リスクが高いことを啓発する必要がある」と警鐘を鳴らすと、小池都知事は真っ向から否定した。「大曲先生は印象論でおっしゃっている」とバッサリ。「交通需要マネジメントも人流抑制に役立った。数字にも表れている。テレワークの推進も図った。ライブサイトも見直し、ステイホームで応援していただいたからこそ、視聴率も上がった」と強調した上で、「エピソードベースではなくエビデンスベースで語ることが重要だ」と述べた。

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