現在、勝点24(5勝9分10敗、得失点差-9)の14位タイの清水も、J1残留へ向けて鳥栖からMF松岡大起、神戸からFW藤本憲明と今夏に積極補強を行なった。再開後2試合は、横浜FMに2対2、G大阪に0対1の1分1敗スタートも、新加入の松岡が早速ボランチとして存在感を見せており、故障者たちも続々と復帰予定。戦力的にはJ2に落ちるチームではなく、百戦錬磨のロティーナ監督の経験も残留争いの中で活きてくるはず。チーム全員が危機感を共有してピッチに立つことができれば、残り14試合の中で降格圏を遠ざけることができるはずだ。

 同じく14位、勝点24(7勝3分14敗、得失点差-9)なのが、柏だ。得点王&MVP男・オルンガを失った今季、その穴を強く感じながらの戦いが続き、さらに6月にはMF江坂任が浦和へ、7月にはFW呉屋大翔が大分へ移籍した。だが、ブラジル人助っ人たちが徐々にチームにフィットし、中断前最後の鹿島戦に勝利すると、再開後は神戸に2対1、川崎に0対0で1勝1分の好成績。浦和から今夏に加入した武藤雄樹の攻守に渡って奮闘ぶりも光った。一時はJ2降格の有力候補に挙がっていたが、明らかに風向きは変わっている。

 その他、消化試合の少なかったG大阪が、五輪期間中に5試合を行って3勝2敗で勝点9を積み上げ、まだ安心はできないが、ひとまず勝点29(8勝5分11敗、得失点差-5)の12位まで浮上した。その代わりに順位を急激に下げているのがC大阪で、リーグ戦再開後の2試合を1分1敗、中断前から11戦未勝利(4分7敗)という悪い流れが続き、降格圏の17位湘南とは勝点6差。これ以上の停滞は許されない状況になってきた。

 最終節は12月4日。五輪の中断期間に積極的な戦力補強を行なったチームも多かった中で生まれるのは、さらなる「格差」か、それとも「混沌」か。残り14試合。例年以上に過酷な戦いが待っている。

[AERA最新号はこちら]