インタビューに応じる千葉真一さん(C)朝日新聞社
インタビューに応じる千葉真一さん(C)朝日新聞社
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千葉さんが記者に送った色紙
千葉さんが記者に送った色紙

 日本のアクション俳優のとして映画やドラマで活躍した俳優の千葉真一さんが8月19日、死去した。82歳だった。新型コロナウイルスに感染、肺炎を起こしたためという。

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 関係者によれば、千葉さんは、新型コロナウイルスの陽性がわかり、8日から千葉県内の病院に入院していたが、症状が悪化し息を引き取ったという。

 千葉さんは、「キイハンター」や「服部半蔵 影の軍団」など数々のドラマで人気を博したスターだった。また、映画にも多数出演。アメリカ・ハリウッドにも進出。クエンティン・タランティーノ監督の映画「キルビル」などにも出演した。

 私が千葉さんと知り合ったのは、2008年に京都で俳優養成学校「サウザンリーブス・ハリウッド京都」を開校した時期だ。千葉さんは、俳優業と並行してアクションスターを育てるジャパンアクションクラブ(JAC)を設立。真田広之、志穂美悦子などスターを育てていたこともあり、京都での開校は注目を集めた。また京都の大学特任教授も務めた。

 しかし、千葉さんとスポンサーになっていた不動産業者らが開校後、金銭トラブルになり、お互いが訴訟合戦という異例の展開に発展した。
その時、取材を通して、いろいろと千葉さんに話を聞くことができた。

「京都の開校はすごく期待していたのに、トラブルになってしまった。俺、何回、こんなことやっちまうのかな」

 金銭トラブル、借金の理由を聞いてもうまく説明できない千葉さん。

「とにかく俺は悪くない。俺が悪いように相手側がそう見せるんだ」

 数千万円とも言われる訴訟にもさほど動じた様子はなかった。

 トラブルの問題点をきちんと把握できないでいるようで、訴訟合戦はお互いが話し合う形で終わったという。

「裁判に勝っても、千葉さんは破産状態で何も取れない。やるだけ無駄」

 千葉さんとトラブルになった相手方はこう話し、俳優養成学校は閉校した。

 その後、何度か千葉さんを取材する機会があった。
映画、ドラマの話が始まると、2~3時間とぶっ通しで話し続ける千葉さん。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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