清水さんは、一般的に次のことが指摘できるという。
「設備が老朽化する中でメンテンナンスの方法や頻度も変えていく必要があります。しかし、どう変えればいいか判断できるノウハウを持ってない遊園地が多いです。その結果、十分なメンテンナンスが行き渡らず、事故につながってしまうことがあるということです」
もう一つの要因の運用の方法は、利用者がルール通りに施設を使わなかったり、従業員が適切な安全確認を怠ったりすることで事故が起こってきた。
「安全に利用するためには、利用者は『自分は大丈夫』などと過信せず、しっかりと注意事項に耳を傾け、ルールを守る必要があります」
もちろん、利用者にルールを守る気持ちがあっても不測の事態がおきることもある。
ルスツリゾート(北海道)では17年6月、海賊船(バイキング)から小学6年生が落下し、軽傷を負った。背中をかこうとしてバランスを崩し、転落したと見られている。
また、日本では身体に与える影響について統一的な安全基準がないことも問題と指摘する。清水さんはこう語る。
「日本では多くの遊園地で、どのくらいの加速度にするかなど身体にかかわる安全基準についてアメリカのものを使っています。わかりやすくいえば、実際の利用者は日本人なのに、アメリカ人を想定して作られている。それで運用が適切か、本当に安全が保たれているかは疑問が残りますね。日本人の体格に合わせた安全基準をつくる必要もあると思います」
ド・ドドンパの事故調査から何が明らかになるのか。注目が集まる。(AERAdot.編集部 吉崎洋夫)