劇場版が公開されるドラマ「科捜研の女」で、ヒロイン・榊マリコを演じる沢口靖子さん。コロナ禍ではどう過ごしたのか、高見を目指す芝居の姿勢について話を伺った。
【前編/沢口靖子「関西なまり」に苦しんだ過去 「感情が入ると抑揚が入ってNGに」】より続く
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デビューから37年を走り抜けてきたが、昨年のコロナ禍は少し歩みを止めるきっかけになった。
「自分に向き合う時間が持てたことで、健康であること、お仕事を続けさせていただけること、いままで当たり前に思っていたことに、より感謝できるようになりました」
健康にも、より気をつけるようになったと話す。
「最近は時間を見つけて20~30分ほどウォーキングをしています。歩いているときは何も考えず、外の空気を吸い込んでリフレッシュします。脳に酸素が入るような感じです。そして朝起きたらコップ一杯のお白湯を飲みます。お野菜やタンパク質中心の食事をとり、疲れたなと思ったら早めに休んでたっぷり眠る。睡眠で体と精神の疲れを取るようにしています」
久しぶりにじっくり本を読み、DVDを鑑賞する時間を得て、自分に栄養を与えることもできた。
「映画『レ・ミゼラブル』が素晴らしくて、ボロボロ泣いてしまいました。カメラが顔のすぐ横にあるはずなのに、まったくそれを感じさせない。そこに役として『いる』こと、その自然さが大事だと改めて感じました。出演者の一人のアン・ハサウェイを追いかけて、いくつも作品を観たんです。『プラダを着た悪魔』で華やかな世界で働く女性を演じたかと思えば『レイチェルの結婚』で傷を負った女性を繊細に演じ、コミカルな作品もある。女性からみてもチャーミングで魅力的ですよね」
あらゆることが、自身の芝居の糧にもなる。