「娘には因果を渡したくない」と語った青木さやかさん(撮影/写真部・張溢文)
「娘には因果を渡したくない」と語った青木さやかさん(撮影/写真部・張溢文)
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 タレントで女優の青木さやかさん(48)が、2017年に肺腺がんを告知され、手術していたことを、5月に出版した著書『母』(中央公論新社)で告白した。かつては「キレキャラ」として人気を博したが、いまはそれをやめ、生き方を「180度変えた」と話す。がんを公表しなかった理由や、母や娘への思い、考え方の変化などを語った。

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――がんを告知されたときの心境を教えてください。

 生活はどうなるの? お金は? 子供は? 考えないといけないことが山ほどあり過ぎて、頭が真っ白になりましたね。ただ、感情に左右されるとわけがわからなくなることがありますが、そういうときは先に行動しないといけないんだと思っています。私は娘と二人暮らしなので、元旦那に連絡して入院中は娘の面倒をできるだけ見てもらう、何人かのママ友に娘のサポートをお願いする、娘の学校にも事情を伝える、会社にいつまで仕事ができないかを報告する、保険会社にも連絡する、といったことをしました。報告しなければいけない人に報告を済ませた後に、いったん一安心だなと思ったら、泣きたくなりました。車の中で一人で泣きました。家には娘もいるし、家では泣いていません。

――入院したときの心境は?

 落ち着いた部分、楽になったというのはありました。仲間がいる、みたいな。ここでは病気っぽい顔をしていていいんだって。先生たちもそれが日常なので、一言いえば全部わかってもらえる環境に入る感じでした。その一方で、淡々と手術の準備が進められていく。時間がないからどんどん検査が進められていく。私としては、やったことのない手術に向けて、心の準備がないままに進んでいくのは怖かったです。どうなるんだろうみたいな。

――一人で入院して、手術も付き添いはいなかった。その理由は?

 病気を共有して楽になる相手がいたら、一緒にいてもらったかもしれませんが、そういう人がいませんでした。それと、そういう性格だったのかもしれないです。あと、母にも知られたくなくて。仕事柄、多くの人に伝えて手術の話が広まってしまうのは困ると思って、特に誰にも何も伝えませんでした。

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