もしあれが事前に仕込まれていたもので、みんなが演技していたのだとしたら、それはそれですごいと思う。
そしてもう一つ、書きたいこと。松本さんと内村さんがテレビで共演することにテンションが上がる10代20代ってどのくらいいるか?ということ。テレビが「コア視聴率」とか言いだして、若い人の視聴を大事にしているが、正直言うと、40代以上の僕ら世代のテンションの上がり方とは明らかに違うだろう。
でも、それでいい。それでいいんですよ。もし家で僕らと同じ世代のお父さんやお母さんがテレビ見ていたらテンション上がっているはずなんです。子供はそんな親の姿を見てうれしいはずなんです。
ネットと戦うために、若い人に向けて作るのも大事かもですが、まず、テレビで育った、テレビでワクワクしてきた世代を、今一度めちゃくちゃワクワクさせるようなものを作るのが今のテレビに一番必要なんじゃないかと思った日でした。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。作演出を手掛ける舞台「もしも命が描けたら」が9/3~5兵庫芸術文化センター阪急中ホール、9/10~12穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホールにて上演