もちろん、三松さんのところに相談に来る女性の中には「夫が求めてくるのが嫌!」という訴えもあるが、詳しく話を聞くと「夫とは嫌だけど、セックスはしたい」と、本心を吐露するケースも少なくない。

「これは夫婦間の問題なのでどうしようもない。ただ、嫌だと思いながら夫と接すれば態度に出るので、夫も妻とのセックスをあきらめるようになります。残りの人生を仮面夫婦のまま過ごすのか、新婚時代のようなラブラブな状態で過ごすのか、そこは2人で話し合うことですが、人生長いのだから、今努力して仲直りしておいたほうが得だと思います」

 性欲の解消については、別のパートナーを作ったり、女性専用の風俗に行ったりする選択肢もあるが、リスクもある。

 その点、マスターベーションなら安心・安全だ。最近は女性(Female)と技術(Technology)を掛け合わせた「フェムテック(FemTech)」という造語も生まれ、女性が自分で快楽を得られる方法がどんどん登場してきている。

「肌のお手入れと同じように腟のメンテナンスを怠らなければ、いくつになっても女性の性を意識できます。あきらめることはありません」(三松さん)

(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2021年9月10日号

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