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コロナ禍で、気になるのがペットの扱い。昨年の春から動物の感染例の報告などさまざまなニュースが飛び交ってきたが、飼い主はいま何に気つけるべきなのか。エビデンスを基に、獣医師で日本橋動物病院(東京都中央区)院長の園田開さんが、飼い主の疑問に答えた。
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Q:犬や猫に新型コロナウイルスが感染したという報告は本当だったのでしょうか。
A:昨年の春にまだ感染が拡大を始めたばかりの頃、海外で犬のPCR検査陽性が確認されたとの情報が日本に届きました。犬の飼い主はコロナに感染していました。感染者が咳をして、ウイルスを含む飛沫が何かしらの物に付着し、その物を介して、次の感染が起こることが知られてます。しかし当初、その犬の検査結果の解釈には楽観的な意見がありました。犬は、単にウイルスが付着しただけだろうという見方です。
しかし、この犬の追跡調査が続けられ、PCR検査が繰り返された結果、付着ではなく、感染という結論に至りました。この段階で、犬にも新型コロナウイルスが感染するということが明らかになったのです。結論を出したのは、PCR検査を行った国の専門機関や大学で、これらの報告は国際獣疫事務局(OIE)によって発信されています。
Q:飼い主にとっては不安になる情報ですが、犬は感染しやすいのでしょうか。かかりにくいのか、かかりやすいので気を付けるべきなのか、知りたいところです。
A:心配だと思いますが、犬は感染しづらいので、外の散歩などは人が集まるところを避けて行えば問題ないでしょう。
単純に比較はできませんが、2021年7月の段階で、世界中で新型コロナウイルスに感染したヒトの累計は1億9000万人を超えていますが、犬や猫の感染例の報告は数例に留まっています。
Q:犬以外の動物の感染例はあるのでしょうか。
A:感染が確認されたのは犬だけではありません。OIEは、動物が新型コロナウイルス感染するかどうかのリストを公表してしています。