鈴木亮平(C)朝日新聞社
鈴木亮平(C)朝日新聞社

「半沢直樹」など大ヒットドラマを多数輩出したTBS日曜劇場枠の「TOKYO MER ~走る緊急救命室~」が12日に最終話を迎える。東京五輪と重なり、視聴率的に苦戦を強いられてもおかしくないタイミングだったが、初回の視聴率14.1%を皮切りに、7話と9話では15%を記録(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。民放ドラマではトップを独走している。本作でスーパー救命救急医の主人公を演じているのが、人気俳優の鈴木亮平(38)だ。

「TOKYO MER」でシングルマザー役が好評価された“悪女系”女優はこの人

「今回の『TOKYO MER』はコロナ禍で医療従事者への関心が高まるなか、非常にいいタイミングで制作されたと思います。主人公を演じる鈴木亮平さんのカリスマ性が、生と死が隣り合わせにある緊急救命という現場で光っており、リアリティーがあるので説得力もある。鈴木さんの日本人離れしたスタイルと柔和かつ重厚な芝居は、新たなヒーローの誕生と言ってもいいでしょう。また、キャストも賀来賢人さんや中条あやみさんなど、旬の役者をしっかりそろえていて、数字を取れるドラマのチーム編成になっている。それをけん引しているのが、鈴木さんが放つ圧倒的な存在感だと言えます」(テレビ情報誌の編集者)

 その独特のカリスマ性は映画でも発揮されている。現在公開中の映画「孤狼の血 LEVEL2」では殺戮を繰り返す凶悪なヤクザを熱演。ドラマと映画で全く異なる、この善と悪のふり幅がすごすぎると話題になっている。

「主演の松坂桃李さんを食ったといわれるほど、残虐なヒール役を完璧に演じています。『TOKYO MER』では人の命を救うために奔走する役柄なのに、『孤狼の血 LEVEL2』ではためらいもなく人の命を奪う。ちょうど同時期にこの2作品が見られるので、ふり幅がすごすぎて混乱してしまう人もいるようです。鈴木さんといえば、2018年に大河ドラマ『西郷どん』で主人公・西郷隆盛役に抜擢されたことでも知られていますが、大河ドラマの主演を張れば役者としては最高ランクにあがったようなもの。本来なら主演仕事にこだわりそうなところを、鈴木さんは二番手でも三番手でもいとわず演じ切り、さまざまな作品で主演を食う存在感を見せています。11月公開の『土竜の唄 FINAL』でもヒール役を演じますが、大河ドラマ出演後でも“汚れ役”に果敢に挑むところが役者としての向上心を感じさせます」(前出の編集者)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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「20代のころはイキっていた」