試合中の退場は、判定に対する不満から審判に暴言を吐いたり、暴力を振るったケースが多いが、中には、「えっ、そんなのあり?」と目が点になるような状況で退場が宣告された例もある。
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「お前の顔が侮辱行為だ」と言わんばかりの変な理由で退場処分を受けたのが、通算14回退場の日本記録を持つ“退場王”タフィ・ローズだ。
オリックス時代の2008年5月17日のロッテ戦、9回に先頭打者として打席に入ったローズは、空振り三振に倒れた直後、秋村謙宏球審のほうを振り向いて、英語で何か話しかけたところ、いきなり「退場!」と宣告された。
「三振したあとに、後ろを振り向いて寄ってきた。英語で何を言ったかはわからないが、ただ振り向いただけでは退場にしない。あのときの顔が侮辱行為と感じた」(秋村球審)。
ローズは同年4月9日のソフトバンク戦でも、ストライク判定直後に口にした「ファッキン・ストライク」(「ひどい」の意味)を審判への侮辱と取られ、通算12度目の退場処分になったばかり。こうした過去の言動から、ローズに対する基準が厳しくなっている面もあったかもしれない。
コリンズ監督が「侮辱する言葉を言ったのなら、その言葉を言ってください。感覚だけで退場にできるのか?何が暴言なのか?」と抗議したが、受け入れられなかった。顔の表情が原因で13度目の退場となったローズは、ベンチからボールケースをグラウンド内に投げ入れるなど、大荒れだった。
審判の心証を害した助っ人といえば、88年に南海に入団したバナザードも、9月23日の西武戦で、「判定にクレームをつけ過ぎだ。日本のアンパイアをなめとるよ」と牧野伸球審の逆鱗に触れ、プロ野球史上初のシーズン3度目の退場を告げられている。
投手交代でマウンドを降りる際に、ボールボーイに返球した行為を咎められ、退場処分を受けたのが、広島・高橋建だ。
2対2の8回、江藤智に勝ち越し3ランを浴びた高橋は、天野浩一への交代を告げられると、ボールをバックネットのフェンス際にいたボールボーイに返球した。