「この10年間、政府の敵か味方かと国民すら分断されてきた。この状況は一刻も早く止めなくてはならない。そのためには政権を代えるしかない。政権を代えるのは私に課された責任だと思う」(枝野代表)
希望の党騒動に象徴される民進党の分裂劇から4年。ツイッター上にあふれた「#枝野立て」という国民の声に推されて誕生した立憲民主党が、ようやく政権交代の意思を具体的に明らかにしたことで、その他の野党との連携も加速すると思われる。8日には、立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の野党4党が、野党共闘を呼びかける市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)との政策合意に調印した。野党第1党が衆院選に向けて合意に加わるのは初めてだ。
■自民も野党共闘を危惧
7日の会見を見た自民党幹部の一人は、こう苦笑いをする。
「毒をもって毒を制す、と言うでしょ。政権交代のためなら、共産党という毒をもってでもね、それを実現しようと枝野氏が言い出したら厄介。選挙で歴史的大勝をするときはいつも、身内を切って、浮動層の圧倒的支持を得る。05年の小泉旋風がそうでしょ。連合という労働組合の足かせを枝野氏が外してでも、共産党と組むとか言い出すと自民党も危ない」
試されているのはもう「悪夢の民主党政権」だとは言わせない、枝野氏率いる野党第1党の本気度だ。(編集部・中原一歩)
※AERA 2021年9月20日号