自主投票の流れが強まっても、最後は派閥の力学が次の総理・総裁を決めるという見方もある。すでに、一部の派閥では決選投票での一致団結を求める動きが出ている。

「河野氏は、地方票と議員票の割合が同じ1回目の投票での過半数獲得を狙うでしょう。過半数に届かずに上位2人の決選投票になれば、議員票383票に対して地方票は47票しかなく、安倍氏が影響力を持つ細田派(96人)と、岸田氏を支援する議員が多い麻生派(53人)の影響が強くなるからです」(田中氏)

 衆院議員の任期満了は10月21日。総選挙が間近に迫っているにもかかわらず野党は自民党総裁選に埋没している。野党議員の秘書はぼやいた。

「むかし社会党、いま立憲民主党。現在の野党に政権を任せようと思う国民はいません。新しい55年体制の始まりです」

 日本の政治は、時計の針を巻き戻しつつある。(本誌・西岡千史)

週刊朝日  2021年9月24日号

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