坂上のいじりっぷりはスタート時から容赦なく、そのたびにオドオドと振る舞う野々村というのがお約束。退院翌日のリモート出演でも「たくさんの全国の方々」へのあいさつを始めた野々村に対し、坂上が「そこまで全国の人は応援してなかったよ」と混ぜっ返した。
この坂上の態度については、病み上がりの人に失礼だとする声もあがったが、野々村はこんな発言もしている。
「しーちゃん(坂上)とは30年来の友人で、若いころは妻と3人でよく遊んだんですよ。皆さんはびっくりするかもしれませんが、そのころからあんな感じでイジられています(笑)。妻の旧姓は坂上(さかうえ)。読み方は違いますけど坂上という名前に縁があるんですね。深い絆がありますから、それをふまえて番組を観ていただけたら嬉しいです」(「FLASH」8月31日号)
とにかくいじられ上手な野々村だが、それもいじってくれる人がいなければ始まらない。紳助に坂上忍と、その達人を見つけるのもうまいのである。
ちなみに、夫婦共演の際は、妻にいじられる感じになる。ただ、意外な亭主関白ぶりも明かされていて、恐妻家もある意味、キャラなのだ。ああ見えて芸能人的な立ち回りの才能はかなりのものだといえる。
ところで、筆者が見た野々村の姿で何より印象に残っているのが、34年前、ドラマ収録の現場取材でのものだ。月曜ドラマランド「ぺぱ~みんと・エイジ」(フジテレビ系)に西村知美が演じたヒロインの相手役として出演。同名少女マンガの実写化で、バスケットボールが得意なイケメン高校生の役だった。
当時、自分が書いた文章には「速水翔役の野々村真がもう少しカッコよければカンペキだったけど」とあるが、それは収録の合間に目撃した姿への違和感によるところも大きい。彼は劇中での制服姿のまま、タバコを吸っていたのだ。すでに22歳だったから、法を犯しているわけではないものの、ずいぶんとトウの立った高校生役だなという印象は否めなかった。