C:来年4月の東証市場再編(1部・2部・マザーズ・ジャスダック市場をプライム・スタンダード・グロースの3市場に再編)を前に、頭を悩ませている上場経営者が多い点も証券会社にとっては追い風。経営者の持ち分が多すぎるなどの理由で、プライム市場に“残留”できない可能性のある1部上場企業が600社もあると言われているんです。そのため、市場外でオーナー社長の持ち分を売却するなどの資本政策が求められ、証券会社の仕事が増えている。その資本政策をきっかけにオーナー社長と直接的なつながりができて、節税対策商品などの売り上げも伸びているようです。

D:とりあえず、NY市場が好調なので、日本株が大崩れする心配がない、というのは好材料ですよね。私の親しい証券マンたちも、ナスレバ(米NASDAQ指数の2倍の値動きがある金融商品)を買ってかなりの利益をあげていますよ。

(ジャーナリスト・田茂井治)

週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

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