岸部:今まで一緒に仕事をした映画監督は、そういうのが大事なんだ、という人が多かったように思いますね。今はあんまり考えなくなりましたけど、希林さんの事務所で一緒にやっていた若いころは、四六時中そんなことを考えてました。脚本家の早坂さんと一緒にやっているころ、彼に「一日中バスに乗って、外を歩いてる人をずっと見る。それが本当の勉強じゃないの?」って言われたことがあったんです。そういう人と出会えたことが大きかったなと思いますね。希林さんも含めて。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。

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週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

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