岸部:そうです。でも、本当に議事堂の中にいるように見えますよね。首相公邸の外観については、周辺のビル群などCGも使っていると聞きましたけどね。
林:政治や経済には、やっぱりご興味がありますか。
岸部:まあ、ふつうに、ね。たとえば金融関係の映画に出るとしたら、金融って一体どういう仕組みなんだろうと思って、日経新聞をしばらく読んでみるとかね。そういうことから、見えてくるものもあると思っています。今度の映画は、政治の世界について、ちょっと見方を変えて考える機会になりましたしね。安倍(晋三)さんが総理になる前は、食事会や勉強会にときどき誘われることがあったんですよ。
林:あ、そうなんですか。
岸部:総理大臣になってからは、会う機会もなくなりましたけどね。芸能人が総理大臣と仲良くするのは、変だな、と思いましてね。安倍さんは意外と、映画にかかわる人が好きらしいんですよ。津川雅彦さんと仲がよかったそうですしね。
林:朝日新聞の「首相動静」を見ても、安倍さんはわりと映画をごらんになったりしてるので、映画がお好きなんだろうなとは思っていました。
岸部:そうみたいですね。
林:津川雅彦さんは、3年ぐらい前、私も参加させていただいたジャポニスムの「日本の美」総合プロジェクト懇談会の座長をなさって、日本の文化をフランスに持っていく活動に尽力なさっていました。そういう方だから、安倍さんとも親しかったんでしょうね。
岸部:僕がザ・タイガースのとき、そのころは佐藤(栄作)総理でしたけど、軽井沢で年に一度、芸能人がたくさん集まる「佐藤さんをたたえる会」というのがありましてね。
林:ああ、その話、聞いたことがあります。
岸部:みんなで集まって佐藤さんをたたえるんです。そして、会の最後になると、そこにいる全員で「佐藤さんをたたえる歌」というのを歌うんですよ。昔の歌の歌詞を変えて、「♪佐藤さんありがとう」って。