【※ネタバレ注意】以下の内容には、映画、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
25日、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が地上波で初放送された。映画公開直後から煉獄杏寿郎の雄姿には多くの人が涙したが、初めて『鬼滅の刃』を観た人たちの心にも感動をもたらしたにちがいない。クライマックスは猗窩座戦だが、実は魘夢戦で煉獄が見た“夢”をめぐる描写には謎も多く、鬼滅ファンの間でもさまざまな意見がある。今回は魘夢戦での煉獄杏寿郎の“夢”を中心に振り返り、彼が人生をかけて守りたかったもの、大切にしたかったものを考察する。
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■守るべき乗客は200人
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」では、鬼の上位実力者である下弦の壱・魘夢(えんむ)と上弦の参・猗窩座(あかざ)が登場した。この鬼たちは、これまで主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が戦ってきた鬼と比べると、その実力をはるかに上回った。
無限列車編では、戦闘の舞台も過酷だった。高速で走る汽車、日輪刀が振りづらい狭い列車通路、戦力を分散させられる長い車両……悪条件のなかで、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)、炭治郎、伊之助(いのすけ)、善逸(ぜんいつ)と、鬼の禰豆子(ねずこ)は、8両の乗客すべてをたった5人で警護することになった。
無限列車の乗客はなんと200人。この大人数の一般市民を危険にさらしている鬼こそ、人間に“夢”を見せる鬼・魘夢だった。
■「夢を見せる鬼」魘夢
魘夢は慎重な性格で、鬼殺隊との直接的な対峙を避けようとする。まずは、敵である剣士に夢を見せて油断を誘い、その間に「精神の核」と呼ばれる、「人間の心の本体」を攻撃するのだ。「精神の核」を破壊された人間は、廃人のようになってしまう。
「精神の核」を攻撃するのは、魘夢の手先にされている“人間”だ。彼らは魘夢から「幸せな夢」を見せてもらう対価として、魘夢の言いなりになっていたのだ。