2021年10月スタートの「ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~」(フジテレビ系)は放射線科を舞台にした人間ドラマだ。窪田正孝さんが天才放射線技師を、本田翼さんが放射線科医を演じる。1作目は2019年4月から放送された。週刊朝日ムック「医学部に入る2022」では、原作漫画の企画段階から医療監修を担当する放射線科医・戸崎光宏医師を取材した。
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病気の発見や、骨や臓器の損傷を見つけるために欠かせないのが画像診断だ。X線検査をはじめ、CT(コンピューター断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴断層撮影)検査、超音波(エコー)検査など、画像撮影機器の種類は多彩。これらを操作して画像撮影をするのが診療放射線技師、画像を読み取って診断するのが放射線科医である。ドラマ「ラジエーションハウスII」は、放射線科チームが「見えない病気」を画像から見つけだし、患者を救う人間ドラマだ。
■MRIやCT画像から病気の診断をするのは誰?
「放射線科医も技師も、日本ではあまり注目されないのが残念です」と話すのは、医療監修の戸崎光宏医師だ。
「診察室で画像の説明を受けるとき、目の前の外科や内科の担当医が画像の診断をしていると思いますよね? でも実際に診断しているのは放射線科医。担当医はそれを患者に伝えているだけ、ということも多いのです」
海外では放射線科医、麻酔科医、病理医の三つは、ドクターズ・ドクター(医師の相談に乗る医師)と呼ばれていると言う。
「この三つの科がないと病院は成り立ちません。特に放射線科医のレベルの高さは、病院の質にかかわってくると言ってもいい」
なんとか認知度をあげたいと考えていた戸崎医師に、思いがけない提案があったのは7年前のこと。親しくしていた診療放射線技師の五月女康作さんから「いっしょに漫画の医療監修をしませんか?」と誘われた。ドラマの原作になった漫画の始まりだった。