2001年 大相撲 優勝決定戦で武蔵丸を破り優勝した「鬼の形相」の貴乃花(C)朝日新聞社
2001年 大相撲 優勝決定戦で武蔵丸を破り優勝した「鬼の形相」の貴乃花(C)朝日新聞社

 皮肉にも全勝優勝した最後の名古屋場所も、相撲内容が物議を醸した。14日の大関・正代戦は仕切り線から目いっぱい遠ざかり、両足が俵にかかりそうな位置で腰を落として場内がどよめいた。奇襲が功を奏して浴びせ倒しで勝つと、千秋楽の照ノ富士戦は立ち合いで左手を出して立つと、右から強烈なかちあげ。離れてから張り手を繰り出し、四つに組み止あった後は小手投げで、勝負を決めた。照ノ富士が前に倒れると、白鵬は右こぶしを突き上げるガッツポーズで雄叫びを上げた。なりふり構わず白星をつかむ執念が、白鵬の「相撲道」だったのかもしれない。

 白鵬引退の一報は大きな反響を呼んだ。SNS、ネット上では、「色々あったが、間違いなく史上最強の横綱だと思う。全盛期の勝ちっぷりは衝撃的だった。こんなに長く横綱として活躍した力士もいないでしょう」と功績をたたえるコメントがある一方で、「白鵬が強いことに異論はない。でも、日本人力士が情けなさすぎるよ。反則技を見過ごす相撲協会もおかしい。貴乃花、曙、武蔵丸と同じ時代なら力でねじ伏せされて、エルボーみたいなかち上げもできなかっただろう。史上最強だとは全く思わない」という反論も。

 現役引退後は後進の育成に当たるとみられる。賛否両論あったが、現役時代は己の「相撲道」を貫いた。親方になり、どんな力士を育てるのか楽しみだ。(牧忠則)

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