ドラフト上位指名が確実視されている慶応大・正木智也 (c)朝日新聞社
ドラフト上位指名が確実視されている慶応大・正木智也 (c)朝日新聞社
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 10月11日に迫ったドラフト会議。プロ志望届の提出は9月27日に締め切られ、あとは当日の指名を待つばかりとなったが、12球団は誰を指名すべきなのか。有力選手を中心に探ってみたいと思う。今回はセ・リーグBクラスの3球団についてだ。

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中日:長打力のある野手が最優先。投手は左の先発候補を

 リーグトップのチーム防御率を誇りながらも再びBクラスに沈んでいる中日。低迷の原因は打線の得点力不足というのは火を見るよりも明らかだ。安定して長打が期待できるのはビシエドだけで、44歳の福留孝介がクリーンアップを打つこともあるというのがチームの現状を象徴している。石川昂弥以外の若手はリードオフマンタイプが多いだけに、長打力が自慢の野手を複数獲得する必要がある。

 候補としては高校生では阪口樂(岐阜第一)、大学生では正木智也(慶応大)の名前が真っ先に挙がる。ともに守備、走塁には特徴がなく、確実性にも不安要素があるものの、とにかく遠くに飛ばす力を持った選手だ。他の球団は軒並み1位で投手に向かうことが予想されるだけに、上位の2枠でこの2人をまとめて獲得するというのも面白いだろう。上位の1枠は投手として、3位以下で狙うということであれば池田陵真(大阪桐蔭)をおすすめしたい。上背はないもののたくましい体格でとにかく振りが強く、スイングのバランスの良さも光る。チームに少ない右の外野手というのも補強ポイントにマッチしている。

 投手は若手、中堅、ベテランと満遍なく揃っているが、若手で左の先発タイプが少ないので一人はサウスポーを狙いたい。3位以下の狙い目としては高校生なら松浦慶斗(大阪桐蔭)、秋山正雲(二松学舎大付)、大学生なら桐敷拓馬(新潟医療福祉大)などが面白いだろう。


広島:エース候補となる高校生投手と右の強打者タイプ獲得を

 森下暢仁、栗林良吏と2年連続で即戦力投手の獲得に成功しているが、投手陣はまだまだ課題が多い。長く安定しているのは大瀬良大地、九里亜蓮の2人だけで、先発もリリーフも底上げが必要だ。特に高校卒の若手も伸び悩みが目立つだけに、前田健太(ツインズ)以来となる太い柱になれるエース候補をまず獲得したい。今年は有力候補が多いが、その中でもおすすめしたいのが風間球打(明桜)だ。角度のあるストレートは森下、栗林とも共通した長所であり、体の強さも大きな魅力。鍛えて選手を育てるという広島の伝統にマッチした選手であり、将来のエース候補としてぜひ狙いたい。また3位以降で狙えそうな選手としては地元広島の花田侑樹(広島新庄)もフォームの良さは抜群なだけに魅力を感じる。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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