日本のランキングでも1位になったり、なんと、アメリカのNetflixでも韓国ドラマとしては初の1位を獲得したりして絶好調。

 確かにね、僕も設定聞いて「カイジじゃん」と思いましたよ。だけどね、逆に、僕はカイジが好きなので、どんなものかと思って見たくなりました。

 確かに、「カイジ」であり「神様の言うとおり」に似てるところがいくつもあるのは否めない。だけどね、2話、3話、4話、そして5話!!と見進めていくうちに、そんなことどうでもよくなる。

 イカゲームの参加者たちの主人公以外のキャラクターもどんどん変化していき、意外な人物が後半、重要人物になってきたり。特に5個目のゲームの回は、個人的には胸が締め付けられてね、もう、涙が出てきてしまった。

 このドラマ、主人公が全然感情移入できないクズ野郎なんです。「なんでこんなクズ野郎を主役にするんだ」と思ってしまう。だけど、この感情移入ができないことで、最初はゲームを俯瞰して見ることができる。色んなキャラクターに対して、平等に見ることができる。

 だけど、いつのまにか主人公に感情移入している自分がいるのです。

 あと、出演者の皆さんの芝居がとてつもなくうまい。

 こういうデスゲームものって、最後のオチは謎で終わらせたり、引っ張りまくったりするのだが、それはない。「ちゃんと終わらせている」。

 この手の話で「ちゃんと終わらす」ものって意外と少ないから、見終わっての達成感があるんですよね。

 パクリ疑惑で騒がれ始めたのは僕的には逆に宣伝になってるんじゃないかと思いますが、皆さんはどう思うのか?

 皆さんの中では、「パクリじゃ~ん」と思ってしまうか、僕のようにそんなこと飛び越えて最高におもしろいと思ってしまうか?賛否両論のこの作品。ぜひ見てみてください。

 賛否両論って大事だな~。

 あ、ところどころ表現がグロいところがありますのでお気を付けください。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が10/4に発売決定。「お化けと風鈴」はLINE漫画でも連載スタート。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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