僕自身は昔に比べると、一つ一つのお仕事を楽しもうという気持ちになりました。以前はバラエティー番組がすごく怖くて、「何を言えばいいんだろう」「何を求められているんだろう」と考えすぎていたところがありました。そこから、「素の自分で闘って愛してもらえたら」というマインドになれたのは、この4年間があったからこそだと思っています。

「仕事としてアイドルやってます!」という感じではなくて、キャラを作らずにそのままの人間として闘っていきたい。その上で人間性に魅力を感じてくれる人が増えたらいいなと思って、頑張っています。

 メンバーも4年前よりみんな素になっていると思います。King & Princeには嘘がない。ツアーでライブをやっている時は、メンバーの素が一番出ていて本当に幸せを感じます。毎公演ふざけちらかしています(笑)。

■へこたれず乗り切る

――話はこれからのことにも及んだ。

高橋:僕たちはずっと目の前のこと一つ一つをどれだけ必死にできるか取り組んできたので、20年、30年先のことは考えてきませんでした。一つ一つを熱心に頑張っている5人が、歴史を重ねた先に、すごく充実して、幸せになっていたら最高だなと思います。

――メンバーの成長に対し、「自分も負けないようにさらに頑張りたい」という。自身の性格を表現するなら、「負けず嫌い」だ。

高橋:欲張りなんですよね(笑)。学生時代はどの教科でも100点を取りたい気持ちがありました。堀越高校に通っていた時も、芸能活動しているクラスメートに負けたくなくて、それまで全然勉強してこなかったのに急に勉強しだしたりして。

 でも、頑張ることができるのはやっぱり応援してくれる人がいるから。自分のことを好きでいてくれる人がいるのが、この世界での一番の心の支えです。応援してくれるから、へこたれずに乗り切ろうと思えます。その原動力はずっと変わりません。

(ライター・小松香里)

AERA 2022年11月21日号