国内での新型コロナワクチン接種完了者は全国で60%を超え、幅広い世代へのワクチン接種が進んでいる。ファイザー、モデルナ製ワクチンでは12歳以上が接種対象となっているが、「子どもの副反応は大丈夫か」「いつ受けさせるべきか」など、保護者からは接種についての不安や悩みの声も聞かれる。そこでAERA dot.編集部では、「Yahoo! ニュース」と共同でワクチン接種対象となる高校生以下(12~18歳)の子どもがいる保護者にアンケートを行い、「専門家に聞いてみたいこと」を幅広く募った。寄せられた質問や疑問を、専門医に取材した。
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アンケートは9月10~12日に実施。選択制の質問のほか、自由記述の項目を設け、ワクチン接種対象となる小学6年から高校3年までの子を持つ保護者2000人から有効回答を得た。
まずワクチン接種回数については、回答者のうち、子どもが「1度目の接種を受けた」と答えた人は17.5%、「2度目まで受けた」が10.0%。一方、「受けていない」と答えた人が72.5%だった。
「受けていない」と答えた人に理由を聞くと、「予約が埋まっている」「接種券が届いていない」「自治体での予約が始まっていない」という予約システム関連の割合が64.2%と半数以上を占めた。次いで「受けさせるかどうか決めかねている」が27.9%、「受けさせたくない」が6.3%となった。「アナフィラキシーなどの過敏症、持病のため受けられない」と答えた人は1.6%だった。
さらに「子どものワクチン接種で悩んでいることや専門家に聞いてみたいこと」を自由記述で回答してもらったところ、様々な声が集まった。多く寄せられた質問を中心に、日本ワクチン学会推薦理事で、長崎大学病院小児科教授の森内浩幸医師に聞いた。
■副反応の心配は?
質問として多く挙げられていたのが、副反応についてだ。「大人でも若い人ほど副反応が強いと言われているので、これが子どもだったらもっと強く出たりするのでは?と心配」(中3女子の母)、「副反応が出た時に、どのように対処すればよいのか」(高1女子の母)などの声が多かった。森内医師によると「接種部位の痛みや腫れ、発熱などの副反応は20代や30代とほぼ同じレベル」とのことだが、副反応にはどう対応すればよいのだろうか。