■現在までに約7000人の児童・生徒がプログラムを経験
勇者の旅は2015年から実践協力校でスタート。2017年度に千葉、鳥取両県の小中学校30校に正式に導入されたのを皮切りにじわじわと広がって、現在までに約7000人の児童・生徒がこのプログラムを経験している。
「学校生活において不安が強い子どもの数を減らすことができれば、将来的に学校不適応や不登校の子どもの数も減ることが期待できます」
と浦尾さん。
プログラム経験者のグループと未経験者のグループを比較した調査では、経験者のグループの不安スコアが明らかに改善していることが報告された(※)。不安が強い子だけでなく、学級全体の不安を軽減する効果も期待できるということだ。浦尾さんはこう続ける。
「不安なんてないよという子でも自分で気づいていないだけかもしれないし、今は大丈夫だったとしても長い人生を歩んでいく中でストレスは避けられません。勇者の旅で身につけたストレスに対処する力は、将来必ず役に立つと確信しています」
(文/熊谷わこ)