俳優・脚本家の佐藤二朗さん
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 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、佐藤さんの手足や顔の大きさとそれにまつわる逸話について。

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 末端が大きい。

 いきなり何だとお思いだろう。

 体の末端のことである。

 俺は、身長に比して、顔、手、足が異様に大きい。

 俺の顔や足が大きいのは、知らない人は知らないが、知ってる人は知ってるので(←当たり前)、何を今さら、と思う人もいるかもしれない。

 社会現象や時事問題、政治経済、そういったことは僕より5千万倍ほど頭がいい人が書くので、僕は当コラムで主に、くだらない、どうでもいいことを、皆さまに少しでもご笑納頂ければとの思いで書いている。

 人さまの見た目の特徴を嗤うのは言語道断だが、自らの身体の特徴ならば切り売りしてもよかろう。

 そんなわけで俺は、末端が大きい。

 身長とのバランスというものがある。身長が170センチの人にはそれ相応の顔の大きさ、身長が150センチの人にはそれ相応の顔の大きさ。しかし俺は、身長181センチなのに、顔は、身長5メートルの顔の大きさなのだ。

 身長5メートルの顔の大きさというのがいかほどのものかよく分からないし、それはもはや人というよりビルではないか、ビルディングではないかという気もするが、実はあながち大袈裟でもないのだ。ドラマ「JIN」で僕はスキンヘッドの特殊メイクをしたのだが、その特殊メイクを担当したスタッフが言った。

「僕、今まで何百人の俳優さんの頭を見てきましたが、二朗さんほど頭が大きい人には、今まで一度しか出会ってません」

 おぉ。一度でもあるのか、俺ほどの巨顔に。期待に胸を膨らませて俺は聞いた。「誰、その人は?」

「チェ・ホンマンさんです」

「お、おぅ」。それはもう、「お、おぅ」である。「お、おぅ」としか言えなかった。好きだけど。チェ・ホンマンさん、強いし、愛嬌もあって、結構好きだけど。でも「お、おぅ」しか言えなかったよね。チェさん、身長2メートル以上だからね。その人と同じくらいの顔の大きさっていうと、なんだろう、僕、2等身くらい?

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