――航は意外にも(?)料理上手。慣れた手つきを見ると、普段から料理をしているのだろう。
一人暮らしなので、自炊しています。得意料理はないです(笑)。でも、煮込み料理のように時間をかけて味を染みこませる料理が好きです。燻製作りは特に好きですね。時間も手間もかかるんですが、出来上がった時がすごく美味しい。ヒノキだったりりんごだったり桜だったり、使うスモークチップによっても、香りが全然違ってきます。そこがまた燻製作りの一つの楽しみ方でもあります。
――劇場版「きのう何食べた?」は、コロナの自粛期間が最初に明けた時の作品だった。撮影初日がすでに気心知れた西島、内野、山本とのシーンで、コロナ対策の不安を抱えながらも「久しぶりに集まれた喜びで良いスタートが切れた」という。
■先輩たちの姿勢に感銘
ドラマの時から4人で食事をするシーンが何度かありましたが、先輩たちがディスカッションを何度も重ねるんです。このシーンではこういうふうに言った方がいいんじゃないかとか、こういう動きをした方がいいんじゃないかとか。皆さん(自分の演技を)突き詰めていく。現場の空気感を肌で感じることができました。そんな先輩たちの作品を良くしようという姿勢は、今後、自分も作品を作っていく時に大切にしたいと思いました。
――2020年正月のスペシャルドラマでは、シロさん&ケンジ、大ちゃん&航のカップル2組が焼き肉店で食事をするシーンに宮沢りえが登場、シロさんが大ファンだという大女優を演じていた。磯村にとっては、12月6日に始まる舞台「泥人魚」の相手役だ。
宮沢さんと本格的に共演するのは「泥人魚」が初めてです。ドラマの撮影は一瞬で、残念ながら全然お話しするタイミングがなく終わってしまいました。でも、(焼き肉店の個室のドアを)ガラリと開けて入ってきた時のオーラはすごく輝いていました(笑)。「泥人魚」は長崎の諫早干拓問題をテーマにした唐十郎さんの作品ですが、宮沢さんのことはこれから稽古を重ねる中で、たくさん知っていきたいと思います。難しい作品だと思うので、一つの挑戦として、自分がどこまで俳優として闘えるかを知ることができる作品になるな、と感じています。