■お互いの君が君が精神
――バンド活動における秘訣はなんだろうか。
奥田:メンバー間で責任をなすりつけ合ってるんです。阿部はその中では頑張ってるほうだけど、あいつも急に放棄する時あるし。お互い「どうぞどうぞ」っていう“君が君が精神”が秘訣だと思います(笑)。
手島:でも、気付いたらいつの間にか一番前に立たされてることあるよね。「あれ?」って。
奥田:みんな、なすりつけ合いにも慣れてきてるから、誰かを急に前に出すみたいなことも全然やるんですよ。
川西:すごく自由に楽しめているので、僕はあまり先のことは考えてないんですね。次にどういうツアーや作品ができるかな、という楽しみはあるけど、それよりもっと先のことを考えても、どうなるかわからない。だから少し先のことでベストだと思うことをやろうと。若い頃にあった必死さがなくなって、余計に面白くなってるのかな。もちろん、若い頃はその必死さが必要で、今みたいなテンションでやっていてもダメだっただろうとは思います。
奥田:コロナ禍でこれまでやってきたことができなかったりするし、体調もより気をつけなきゃいけない。そういう状況下で、やれるうちにやりたいことはやりたいなと思います。
手島:何か新しいアイデアを思いついたら、やれるうちにやったほうがいいしね。
川西:難しいことは起きているけど、うまくやっていければいいですよね。僕たちもファンクラブ向けに何度も配信をやったけど、それはこういう世の中にならなければ、やってなかったわけだし。結局、ポジティブにものをとらえて前に進んだ方が良い、という考え方は昔と変わってないですね。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2021年10月18日号