民間シンクタンクが公表した都道府県魅力度ランキングで、群馬県が44位(前年40位)に沈んだことに、法的措置をちらつかせた山本一太知事の姿勢が議論を呼んでいる。群馬県民からは「県民に失礼だ」と知事に賛同する意見もあるが、「器が小さい」「相手にしなければいい」などと冷ややかな声も出ている。山本知事はなぜそんなに怒っているのか。それに対して調査会社はどう感じているのか。県と業者の双方に話を聞いた。
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ランキングは民間シンクタンク「ブランド総合研究所」(東京)が毎年行っている「地域ブランド調査」に基づくもので、今年で16回目。毎年、多くのメディアがこの結果を報じ、風物詩のようになっている。
群馬県は昨年の40位からダウンして、今年は44位だった。これに対して、山本知事は12日の会見で「根拠の不明確なランキングで県民の誇りを低下させ、経済的損失につながる」などと怒りをにじませ、法的措置も検討していると明らかにした。
以前から不満を示していた山本知事だが、なぜそこまで怒っているのか。
県の担当者に聞くと、「県としては、ランキングには問題点が三つあると考えています」と知事の意図を代弁した。
一つ目は、「どの程度、魅力を感じますか」という、たった一つの質問しかしていないという点だ。
同ランキングは、「以下の自治体について、どの程度魅力を感じますか?」という質問について、「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、「どちらでもない」、「あまり魅力を感じない」、「全く魅力的でない」を0点としてカウント。都道府県ごとに100点満点に換算してランキング化しているという。
群馬県はこの調査方法に対して疑問を持っているようだ。
「一つだけの、しかも具体性がなくイメージを問うような質問では、憧れの街や有名な観光地のある自治体が上位に来るのは当然だと思います。たった一つの質問の答えにすぎず、さまざまな角度から分析されたものではないのに、『魅力度』としてランキングを公表すること自体が問題だと思います」(担当者)