放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん
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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、20年目を迎えた結婚にまつわるお話です。

【夫婦の写真】2人ともあのころとまったく変わってない?

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 2021年10月14日は僕と妻の結婚記念日です。2002年に結婚したので結婚20年目に突入しました。交際期間0日の結婚から始まり、あっという間でした。

 日本テレビ「電波少年」のT部長でもおなじみだった土屋敏男さん。土屋さんは、森三中がデビュー当時からお世話になっていました。僕は直接、レギュラー番組のお仕事をしたこととかなかったのですが、2002年に結婚したときに「結婚生活が続いてたら一日100円あげる」と僕と妻が言われました。

 20年前に、交際期間0日という、当時、ふざけたかのように見える結婚だったので、土屋さんも、たぶん、そんなに長く続かないと思っていたのでしょう。みずほ銀行にそれ用の口座を作り、一年ごとに1日100円×365日分の3万6500円を本当に振り込んでくれたのです。2年、3年とたつごとに、毎年、3万6500円を振り込んでくるのです。振り込んだ後に「振り込んだから」とかの連絡もなく。いつの間にか振り込まれている。

 数年たって、振り込みがなくなりました。だからと言って僕らはなんとも思わない。っていうか数年振り込んでくれただけでも申し訳ないと思っていました。そしたらある時、振り込んでなかった分のお金が一気に入っていたのです。そこからも忘れた頃にまあまあ大きなお金が何十万円と振り込まれていました。妻が記帳してきて確認して。「もう、本当にいいいのに」と言うが、土屋さんも意地ですよね。

 そして結婚20年目に突入した今年。土屋さんに用事があって久々に連絡を取り合っていました。土屋さんは「息子、何歳になった?」と聞いてきたので「6歳です。来年小学生です」と言うと「じゃあ、ランドセルを俺が買うから、それで1日100円は終わりにしよう」と言い出したのです。そもそも、1日100円払うと言い出したのは土屋さんだし、途中で何度も「もう、大丈夫ですから」と言ったのに意地になって払い続けたのも土屋さんです。

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土屋さんの言葉でハッとした