データ社会になって、事細かに数字が出る世の中になったことに、不都合な人たちも出てきている。それが悪い事なのかと言ったら、そうでもなくて、商売ってそういうものだったりもするじゃないですか。そこの難しさでしょうね。結局、狭間な時期なのかもしれない。
自分がテレビに出演していて、反応としてはテレビが一番デカい。10年前と比べてどうかと言われたら、確かに違うというのも実感していて、僕に向かって「YouTube見ましたよ」と言ってくる人も出てきました。昔は全くなかったことです。でも、まだテレビが一番すごいことは間違いない。そこに、データという難しい問題が出てきている。
データという問題点だけでなく、テレビ番組に対してコンプライアンスを問われるけど、身動き取れなくなっているのではないか? その結果、何が起こるかと言えば、いい番組を作れなくなりますよね。いいものを作るためにはどうするかというと、1人で作れるものを作るようになってしまうのではないかと思う。ひとりひとりが、自分のポジションにおいて色々なことを考え厄介なことにはなりたくない。例えば僕だったら「こういうことをやったら番組を干される」とか、そういう目に遭うのはイヤじゃないですか。各々のポジションで様々な避けたい厄介な事があるわけですが、みんなが1個1個避けていく集合体となると、世の中全体が避けるっていうことになる。面倒くさいことをやらなくなっていく。
本来、ものづくりとは面倒くさいことにぶつかっていくこと。テレビ制作だけでなく町工場でものづくりでも同じで、厄介なことや面倒くさいことに直面するもの。テレビ番組の話をしていたが、日本は国も政府もなんだか面倒くさいことを避けてきているような気がする。気が付いたら、世界には経済でも負け、科学技術でも負け、何もかも負けている世の中が透けて見える気がする……。
■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録。