カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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写真はイメージ(GettyImages)
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 かつては、学校で「昨日のあの番組見た?」と話題の中心は人気テレビ番組だった。テレビに出演する側のお笑い芸人のカンニング竹山さんは、テレビ離れという言葉だけでは片づけられない、テレビ視聴の今に疑問を抱いている。

【アンケート結果】「テレビを見ていて信用できないと思う人」1位は?

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 ここ最近、疑問に思っていることがあって、「本当にテレビは見られているのか?」。

 若い子と話をすると、本当にテレビを見てないんですよね。みんな、リアルに見ていない。テレビ番組は、若いタレントさんやギャルの代表、人気のYouTuberやTikToker出したりして制作しているけど、「それ、見られているの?」

 お笑いもネタ番組やコント番組が増えてはいるけど、ロケで出会った若い子たちとか10代の学生に聞いてみると、「学校でテレビ番組の話は話題にものぼらない」って。「あの番組見た?」というのはもはや若い子たちのメインの話ではない。

 我々の世代はリビングにテレビがあって、家族でテレビをつけて視聴するというのが当たり前だった。最近聞いた話で感心したのは、そのリビングにあったテレビという存在が今やモニター化しているということ。家の大きなモニターでYouTubeが見られて、Netflixが見られる。だから、テレビはモニターでしかないということ。

 また、今の子どもたちは小さい頃からYouTubeを見て育っていますよね。例えば、親が渡したスマホでベビーカーに乗りながら『おかあさんといっしょ』を視聴したりする。その点からも、家のテレビはモニター化し、このことに気付いて「新たな時代が来たな」と思った。

 モニターと化した今、テレビはもっともっと見られなくなると思う。そうなると、テレビ局は、番組というソフトを作るただの会社になってくる。そうは言っても、テレビが圧倒的に影響力はあると思うんだけど、「テレビが中心だぞ」って思っていることは、自分も含めてこっち側のエゴなんじゃないかな? 「テレビはまだまだ大丈夫だ」と言っているのは、こっち側だけが考えていることで、実は違うんじゃないか?

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テレビの視聴率に既得権益が絡みつく