日本維新の会の松井一郎代表(左)と吉村洋文副代表のツートップ(C)朝日新聞社
日本維新の会の松井一郎代表(左)と吉村洋文副代表のツートップ(C)朝日新聞社
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 衆院選前半戦の情勢が見えてきた。政権与党、自民党は伸び悩み、単独過半数(233)に届くか微妙な状況だ。自民党幹部は苦々しい口調で話す。

【図版】自民、維新、立憲など大阪19小選挙区のシミュレーションはこちら

「自民党の情勢調査でも苦戦の数字になっている。こちらが減らした議席は立憲民主党と日本維新の会へ流れそうだ」

 解散前の勢力が10議席だった日本維新の会は、ホームグラウンド・大阪での勢いが顕著だ。府内の19小選挙区のうち、維新は15人の候補者を擁立。入手した自民党、立憲民主などの情勢調査を見ると、維新がかなり優勢という結果になっている。

 自民党が維新と互角、優勢に戦っている選挙区は4つの小選挙区にとどまっていた。

「大差がついている小選挙区もあり、大阪は維新に惨敗しかねない」

 自民党の小選挙区候補者は危機感をこう募らせる。公明党が候補者を擁立する4つの小選挙区は、自民党、維新と調整しており、いずれも優勢だ。また、大阪10区は立憲民主の前職、辻元清美氏と自民党の前職、大隈和英氏、維新の新人、池下卓氏の3つ巴となっている。自民、立憲の情勢調査ではいずれも辻元氏が優勢となっている。

AERAdot.編集部 吉崎洋夫作成
AERAdot.編集部 吉崎洋夫作成

 ちなみに2017年の衆院選で小選挙区は、自民党が10議席、維新は3議席だった。しかし、今回は逆転しかねない情勢だという。

 維新の原動力は、大阪市長の松井一郎代表と大阪府知事の吉村洋文副代表のツートップだ。公示日も大阪市内で2人がマイクで呼びかけると、多くの聴衆が集まった。

 岸田文雄首相が「成長と分配の好循環」と掲げている経済政策に吉村氏はこう噛みついた。

「自民党が分配するには元手が必要だ。成長する機会がないと分配できない。その土台が必要でそれが改革です。自民党は改革を放棄しました。維新はやってきた。改革して成長させる。改革なくして成長なし。国の主導で経済はよくなりません。改革政党は維新の会しかない」

 維新の小選挙区立候補者は手応えをこう話す。

「吉村、松井両氏が応援に来てくれると、コロナ禍なのに吸い寄せられるように人が集まります。街宣車で吉村氏の声が録音された音声を流すと急に手を振ってくれる。維新の創立者、橋下徹氏と遜色ないパワーを感じます。コロナ禍で吉村氏が全国区の知名度となり、維新の改革という言葉に好感が得られていると思いますね。自民党の怖さはあまり感じません。維新の党本部には吉村氏への応援要請が殺到し、取り合いになっていると言っていました」

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吉村知事の人気で大阪で10議席も