(C)朝日新聞社
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 感情のコントロールにプラスに働いたのが、ふたりで交互に発言したやり方だった。

井上医師が続ける。

「複雑性PTSDの症状を鑑みると、あれはよかったですね。眞子さんが一方的に喋り続けていたら、どこかのタイミングで、恐怖や不安などの感情が出てしまう危険性もあった。交代で発言することで、眞子さんがクールダウンする余裕が生まれたわけです」

 視線が落ち着かず、瞬きが目立った小室さんだが、実は会見をリードしていたのは彼の方だったと井上医師は分析する。

「小室さんは、確かに緊張はしていました。しかし、彼のほうが一貫してゆっくりと話しをしていました。自分たちが早く興奮した喋り口にならないように、ペース配分に気を使っているように見受けられます」

 井上医師が注目したのは、ペーシングという同調のテクニックだ。

 相手と声の調子や大きさ、話すスピード、声の音程の高低やリズムなどを合わせることで、お互いにリズムを作り出す。

 眞子さんと小室さんのペーシングは、会見の冒頭には始まっていた。

「どうぞよろしくお願い申し上げます」

 と同時に声を合わせてあいさつをした。

 先述したように、眞子さんは、動作と発言が一歩早く、焦り気味だった。ペーシングをすることで、眞子さんが、急に頭が真っ白になってしまったりしないよう、小室さんが引っ張っていったのだという。

 実際、眞子さんは、複雑性PTSDについての質問に答える文書のなかで、<現在の体調は決して良くありません>

 と答え、小室さんも

<眞子さんの体調が早く良くなるよう、自分ができる限りのことをして、支えていきたいと思います>と答えている。

 小室さんが時おり見せた笑顔は、どのようなサインなのか。

 会見場は、緊張に包まれ、ふたりが祝福の言葉に包まれるという雰囲気ではなかった。

結婚は慶事ですから、笑ってはいけないという場ではない。小室さんは、緊張をしていたからこそ、余裕があるようにふるまおうと笑顔を見せたのでしょう。いろんな騒動をみていると、あの場の笑顔は得策ではなかったかもしれない。しかし、それが小室さんという人物の表現方法なのだと思います」

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