しかしテームズは巨人移籍後初の一軍出場となった4月27日のヤクルト戦(神宮)で右アキレス腱を断裂し、1試合に出場しただけで退団。スモークも34試合の出場で7本塁打と米国時代の打棒も垣間見せたが、コロナ禍の影響で家族が来日できないことを理由に6月に帰国となった。シーズン途中の8月に獲得したスコット・ハイネマンも体調不良が原因でわずか10試合の出場で9月末にチームを去った。

 新たに加入した助っ人が“全滅”する中で、奮闘したのがウィーラーだった。先述の通り、新型コロナウイルスの陽性判定による欠場もあったが、球団歴代6位タイの22試合連続安打も記録するなど、最終的にチームで4番目に多い121試合に出場。打率.289、15本塁打、56打点、3盗塁という成績をマークした。日本でのプレーは今季で7年目となったが打率は来日以降、最も高いものとなった。

「戦力として欠かせない存在。長打力に加え柔軟な打撃が持ち味で勝負強さもある。シーズン後半は主に丸佳浩岡本和真のあとを打つ5番を任され大事なところで結果を出した。クリーンナップを任せる予定だった外国人選手が次々にいなくなる非常事態。ウィーラーがいなかったらBクラスに転落していた可能性も否定できない」(巨人担当記者)

 ウィーラーは来年の1月に35歳となり、年齢的にはベテランの域に入っているが選手としてはまだまだ成長しそうな気すら感じる。来季以降、巨人が契約を結ぶのかも気になるところだ。

「日本野球に適応、進化している。打撃では長打の魅力はあったが引っ張る打球が多く、空振りも目立つ印象だった。近年は逆方向への打球も増え打率を3割近くまで上げてきた。守備に関しては内野手もできる柔らかいグラブさばきがある。肩も飛び抜けて強くないが送球の正確性は高い。足も遅くないし常に全力疾走を欠かさない。日本野球向きの優良外国人だったので、楽天はなぜ手放したのか不思議でもある」(元楽天担当記者)

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