AERA11月8日号から
AERA11月8日号から

 ブースター接種の対象は、国によって方針が異なる。イスラエルは12歳以上全員が対象だ。米国は、ワクチンの種類によって対象が異なる。ファイザーやモデルナのm(メッセンジャー)RNAワクチンは健康な人の重症化を防ぐ効果はまだ維持できているとして、現時点ではブースターの対象は、重症化リスクの高い65歳以上や持病がある人、感染リスクの高い医療従事者らに限定されている。

■12歳以上全員が対象

Q:国内ではいつ始まるの?

A:2月に先行接種が始まった医療従事者を対象に12月にも始まる見通しだ。続いて、重症化リスクの高い高齢者や持病のある人へと対象が広がり、いずれは2回接種した12歳以上全員が対象になる。

 厚生労働省のワクチンに関する専門家会議の分科会は10月28日の会合で、感染リスクや重症化リスクが高い人だけでなく、ワクチン接種を2回完了した12歳以上全員にブースター接種をするべきだという意見で一致した。11月中旬の会合で正式に決め、順序や時期についても詳しく検討される見通しだ。

Q:効果はどれぐらい?

A:ファイザーは10月21日、ブースター接種の効果を調べる臨床試験(治験)で、有症状の感染、つまり発症を防ぐ効果が95.6%あったと発表した。

 臨床試験では参加者1万人を無作為にブースターを打つグループと偽薬を打つグループに分け、中央値で2.5カ月間観察した。ブースターを打ったグループで発症したのは5人だったのに対し、偽薬のグループは109人だった。

 モデルナが10月21日に米CDCの予防接種諮問委員会に提出した資料によると、ブースター接種により、デルタ株に対する感染を抑える抗体価が、接種前の17倍上がったという。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

>>【後編:ブースター接種「副反応」 2回目までと何が違う? 重さや多い症状とは】へ続く

AERA 2021年11月8日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)