枝野氏の辞任表明で次の代表や執行部のメンバーに関心が移っていますが、中堅、若手も含めた幅広い人材で代表選が行われることを望みます。新たな人材が広く国民に理解されるようになると思います。泉健太氏、小川淳也氏、長妻昭氏、女性だと代表代行の蓮舫氏、西村ちなみ氏などがいます。逢坂誠二氏も理論派でバランス感覚が良く、ニセコ町長時代の統率力やアイディアで評価が高い。旧民主党以外の人も出てきて、新しい立憲を見せるべきですね。ただ、ジェンダー問題にも取り組んできた辻元清美氏が、ここにいないのは痛いですね……。
前回の立憲の代表選では、泉健太氏と枝野氏が出馬しましたが、選挙前から『枝野氏で決まり』という雰囲気がありました。これではガチンコ感がなく、盛り上がらない。
立憲は民主党政権のイメージが強いですよね。「民主党の悪夢」などと揶揄されるように政権運営でつまずいた悪い印象をずっと引きずっている。枝野氏はバランス感覚に優れて能力の高い政治家だと思いますが、選挙取材をしていても、「執行部の顔ぶれが、民主党時代と変わらない」という声がありました。
対する自民党は、総裁選では、高市早苗氏と野田聖子氏、河野太郎氏、岸田文雄氏の党内右派からリベラルまで様々なタイプの4人が出てきて、最後は岸田氏と高市氏が組むという荒業まで繰り出して、河野氏を破った。権力の頂点を目指し、本気で4人が戦った結果、注目も集まったし、その余波として今回の選挙結果と、60%超える岸田政権の支持率が出たのだと思います。
さらに、維新が今回の選挙で議席を伸ばしているのは、党の新陳代謝がうまくいったことも要因だった思います。橋下徹氏が15年に引退して、現代表の松井一郎氏も来年1月に代表を辞任することを表明している。そんな中、大阪府知事の吉村洋文氏が頭角を現して、新しいリーダーとして前面に出てきている。その陰で全国最多のコロナ感染の死者を出したことや医療崩壊となり、自衛隊の支援を要請したことなどは、もう大阪府民には、忘れ去られているのでしょうか。