占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:在宅勤務、一人暮らし、家族とも不仲で音信不通、友達も少なく、ひとりぼっちだなと悲しくなります。誰かから必要とされたい、道ゆく誰か、話しかけてほしい、相手にしてほしいと思ってしまいます。そんなことあるわけないのに。こんな考えから抜け出すにはどうしたらいいでしょうか。(女性/会社員/29歳/ふたご座)

A:すごく共感します。道行く誰かに話しかけてほしい、相手にしてほしいと思ってしまう、そういう気持ちを僕も経験したことがあって。

 一つ言えるのは、あなたに転機がきているということ。寂しくて切なくてどうしようもなくなったときっていうのは、間違いなく転機です。

 一人で歯を食いしばって頑張ってきた期間がそれまでに必ずあるはずなんですよね。何くそ、負けないぞ、絶対幸せになるぞと思ってやってきたけど、その強さの勢いが薄くなってきて、すれ違う人を見てどうしようもない気持ちになっちゃう。

 一人で頑張らなきゃいけないときに一番きついのって、街を歩いているカップルや友達同士だったりするんですよね。どうやったらあの中に入れるんだろうって。同じ道を歩いているんだけど、そこにすごく大きな隔たりを感じてしまう。どういう行動をしてどういう人生を送ればあっち側に入れるんだろう、と感じたことって、多くの人にきっとあるんじゃないか。

 強いときは、自分を変えようとして歯を食いしばって頑張っているときですが、転機を迎えた後には、自分を変えるのではなくて、居場所を増やしていくことが大事になる気がします。

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