3回目のワクチン接種で副反応はどうなる?(c)朝日新聞社
3回目のワクチン接種で副反応はどうなる?(c)朝日新聞社
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 新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種が12月にも始まる予定だ。2回目を終えた12歳以上の全員が対象で、2回目の接種完了から8カ月以上経過した人から接種券が配布され、打つことになる。そこで、気になる3回目の副反応の強さやブースター接種の有効性、インフルエンザの予防接種とではどちらを優先するべきかなどを専門家に聞いた。

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 ワクチン2回目の接種後に副反応がみられた人は、日常生活や仕事に影響が出たケースも少なくない。3回目も同じような症状が起こるのであれば、スケジュールの調整や心の準備をしておきたいところ。3回目の副反応はどうの程度になるのか、日本ワクチン学会理事などを務める長崎大の森内浩幸教授に聞いた。

――3回目接種後の副反応はどれくらいでしょうか?

 3回目の副反応は、2回目の時を超えるほどではないでしょう。一般的によくある局所の痛みや腫れ、発熱、倦怠感などについては、おそらく2回目よりも軽くなる人が多くなると思います。

――なぜ、2回目よりも3回目は軽い副反応で済むのでしょうか?

 私たちが持っている免疫には、ワクチン接種や感染することによって病原体を覚えていく「獲得免疫」と、生まれつき備わっている「自然免疫」というのがあります。自然免疫の仕組みで、ウイルスなどの異物が入ってくるとすぐに炎症反応を起こします。ワクチンを打った局所の炎症反応は、痛みや腫れで、全身に及ぶと熱や倦怠感になります。こうした自然免疫の反応は、獲得免疫を導くための準備段階として起こるのです。

 いったん自然免疫が発動すると、しばらくの間はスタンバイした状態が続きます。そこで2回目のワクチンが接種されると直ぐに反応するため、1回目よりも2回目の方が強く副反応が出ます。

 ただ、さすがに6カ月や8カ月が経過するとスタンバイ状態は緩んできますから、個人差ありますが、2回目よりも3回目は軽い副反応で済む可能性の方が高いと思います。

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