AERA 2021年11月15日号より

 コロナショックの際に、ギリギリで耐え、株なり投資信託なりを仕込んだ人は、その後の反発上昇による利益を吹聴した。

「あのとき、全財産を失って退場した人は数多くいます。死者は語らないのです」

 たとえば毎月10万円の投資信託を積み立てている人が、宝くじ枠として1万円をレバナスにするのは、まだいい。メインに据えるべきではない。暴落は予測できないからだ。60歳、70歳のリタイア時とXデーが重なったらどうするのか。

 10月25日、電気自動車のテスラが時価総額1兆ドル(約113兆円)を突破した。

「トヨタ自動車の時価総額が約33兆円です。テスラがトヨタの3倍ですか? 期待感が株価に乗りすぎています。次の暴落のネーミングは“テスラショック”になるかもしれません」

 儲かり続けて笑いが止まらない、現在のレバナス民。彼らが老後、本当の意味で高笑いする日は来るのか。(経済ジャーナリスト・大場宏明、編集部・中島晶子)

※AERA 2021年11月15日号より抜粋

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