作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが11月11日、亡くなっていたことがわかった。99歳だった。朝日新聞デジタルが報じた。故人をしのび、最愛の秘書、瀬尾まなほさんとの対談を再掲する。※肩書や年齢等は当時。
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作家の瀬戸内寂聴さんを支える66歳年下の秘書、瀬尾まなほさんが『寂聴先生、ありがとう。』を6月に出版。8年間寄り添ってきた寂聴さんへの思いを3年かけて執筆した。前編に引き続き、師弟対談を掲載する。
まなほ(以下、ま):本では、先生が反原発で闘う姿も書きました。89歳で座り込みに参加したり、胆嚢がんの手術の退院直後に国会議事堂前の集会に出たり……。圧倒されました。先生は長らく政治応援はしてこなかったですよね。川端康成さんの頼みすら断ったのに、つい5年前、都知事選で細川護熙さんを応援した。そこに小泉純一郎元総理もいましたね。
寂聴(以下、寂):細川さんは好きだから。選挙手伝って知ったけど、奥様がとってもいい方。細川さんは演説へたなんだけど、奥様がすごくうまい。小泉さんは総理のときから知っています。私が小泉さんにあんましたこともあるくらい。
ま:うまいんですよ。私もたまに肩出すと「凝ってるね~」って先生がやってくれるんですけど、「なんで私がしなきゃいけないの!」って途中で我に返るんです。
寂:被災地へ行くと、何もしてあげることないじゃない。だから「みんな疲れてるでしょ? あんましてあげる、いらっしゃい」って言うの。それでおばあさんが「では……」って来るからやってあげると、「はぁ~、いい気持ち!」って言うの。ふっと見てみると、ずらーっと並んでるのよ!
ま:疲れるし、結構力がいると思うんですけどね。
寂:徳島の女学校は、卒業時に本職のあんま師を呼んできて、習ってから卒業するの。それで、結婚したら「亭主をもめ」ではなく、「舅と姑をもみなさい」と言うの。
ま:秘書になって最初のころは、私も怒られたことがありました。
寂:えっ、そう? たとえばどんなこと?
ま:一度私が何か余計なこと言って、怒られたことがありました。それですぐに「先生すみません。ごめんなさい」と謝ったときの手紙を全部載せました。私に限らず、基本どんなときに怒りますか?