<strong瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)
1922年、徳島県生まれ。57年に『女子大生・曲愛玲』で新潮社同人雑誌賞、63年に『夏の終わり』で女流文学賞を受賞。73年に天台宗東北大本山の中尊寺で得度する。97年に文化功労者、2006年に文化勲章受章。映画「夏の終わり」(熊切和嘉監督)が公開中(撮影/写真部・松永卓也)>
瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)
1922年、徳島県生まれ。57年に『女子大生・曲愛玲』で新潮社同人雑誌賞、63年に『夏の終わり』で女流文学賞を受賞。73年に天台宗東北大本山の中尊寺で得度する。97年に文化功労者、2006年に文化勲章受章。映画「夏の終わり」(熊切和嘉監督)が公開中(撮影/写真部・松永卓也)
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 作家瀬戸内寂聴さんが11月11日、亡くなっていたことがわかった。99歳だった。朝日新聞デジタルが報じた。故人をしのび、堀江貴文さんとの対談を再掲する。※肩書や年齢等は当時。 

 今年3月に仮釈放され、再びメディアに登場している元ライブドア社長・堀江貴文氏が、以前から交流のあった作家で尼僧の瀬戸内寂聴氏と約3年ぶりの再会を果たした。堀江氏はライブドア事件を振り返った。

*  *  *
堀江:いまはスマホが普及して、LINEとか他人とつながるためのツールも増えています。だからあまり寂しくないんですよね。昔はそういうツールが少なかったので、家族とか会社の存在が大きかった。いまはネット上にもコミュニティーをつくれますし、精神的な拠り所がいっぱいあります。インターネットが世の中を変えたんです。

瀬戸内:そういうインターネットの世界で名を馳せて、当時はあなたをいじめる人が多かった。それで捕まって牢屋に入れられたけど、やっぱり有罪になるような悪いことをしたの?

堀江:ああいうのって有罪にできちゃうんですよね。

瀬戸内:でも優秀な弁護士はつけたんでしょ。

堀江:それがつけられなかったんですよ。

瀬戸内:え? なぜ?

<strong堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。ライブドア社長だった2006年に証券取引法違反容疑で逮捕。11年4月、懲役2年6カ月の実刑が確定。同年6月20日に収監された。仮釈放後、11月までは保護観察期間となる。11月1日に『ゼロ』(ダイヤモンド社)が刊行予定(撮影/写真部・松永卓也)>
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。ライブドア社長だった2006年に証券取引法違反容疑で逮捕。11年4月、懲役2年6カ月の実刑が確定。同年6月20日に収監された。仮釈放後、11月までは保護観察期間となる。11月1日に『ゼロ』(ダイヤモンド社)が刊行予定(撮影/写真部・松永卓也)

堀江:いきなり強制捜査に来られて、1週間で逮捕されたんで余裕がなかったんです。テレビ局と喧嘩をしたので、世の中から一気に総攻撃を食らった。その状態で刑事裁判をちゃんとできる優秀な弁護士が誰かとか冷静に選別できなかった。まさか自分がそんな世界に放り込まれるとは思ってなかったですから。

瀬戸内:ひどい状態だったのね。

堀江:今では誰が優秀なのかわかりますけどね。今一番優秀なのは弘中惇一郎先生ですね。郵便不正事件で村木厚子さんの無罪を勝ち取った人です。最近は小沢一郎さんもそうですね。その弘中先生に、最高裁でようやく頼んだんですよ。紹介してくれたのが「ロス疑惑」の三浦和義さんだったんで、なかなか素直に「はい」と言えなくて時間がかかってしまいました。

瀬戸内:今でも自分が不当な扱いを受けたと感じてる?

堀江:もう忘れました。

瀬戸内:忘れられるの!

堀江:はい。もうどうでもいいです。

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