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 国の要人を守るためにボディーガードたちが建築家とアイデアを練って

「引き戸に見せかけて、実は回転扉というのはどうじゃ!」
「天井を低くすれば刀が引っかかって振り下ろせまい!」

 と、会議で決まり、予算を確保し、作ったのだろうか。

 今でいえば総理大臣を守るために国防省が開発するような事になるのか。

 もしかしたら国会議事堂にも、我々の知らないからくりが仕込まれているかもしれない。柱に見せかけた階段や、壁に見せかけた回転扉が。

 そして我が子は意欲まんまんにたくさんのからくりを見破って、前のめりにゴールまでたどり着いた。達成感にほくほくしている姿が可愛かった。

 それからお化け屋敷に「いく!」というので連れて行った。

 ここのお化け屋敷は大人でもかなり怖いと評判である。

 抱っこすれば大丈夫だろうと思ったが、通路が狭いからだろう。なんと抱っこ禁止。子供たちは自分の足でがんばって歩いて抜けなければならない。

「どうする?」と確認したが「いく!」と言うので我々親子3人、しっかり手をつないで出発した。

 真っ暗な道。時々「シュー!!」と吹き出すCO2はすべて夫の顔面に。

 ちょっとでも立ち止まっているとすぐに「進まないとおばけがきますよ」とアナウンスで追い立てられる。多分3人ほど、お化けを演じるキャストさんがいて、暗闇に潜んで「たすけてくれー」とか、声を上げて脅かしてくる。この生身の人間の気配がめちゃめちゃ怖い。

 しかし私が「ぎゃー!」と声をあげたりすれば我が子はその声にさらに驚いて泣き出すかもしれないので、内心叫び出しそうだったがぐっと堪えて「わあーー、にげろーー」と精一杯、楽しげなトーンで子供に声かけする。

 何とか泣かずに出口までたどり着いた我が子だったが「おばけやしきにはにどと行かない……」とその後何度もつぶやいていた。

 帰りの新幹線の中でも、思い出したように「にどと行かない!」と真っ直ぐに私の目を見て宣言していた。

 それから施設内の「中村座」という劇場で忍者ショーを見た。

 劇場は広くて、提灯が吊られていたりして、「新橋演舞場」のような趣がある。

 忍者ショーは15分ほどの短いショーだがその内容は濃密だった。

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忍者ショーを見終えた我が子の意外な反応とは…