本格的に登山やキャンプをはじめたのは1年前。コロナの影響で沈んでいた気持ちが一気に吹き飛んだ(本人提供)
本格的に登山やキャンプをはじめたのは1年前。コロナの影響で沈んでいた気持ちが一気に吹き飛んだ(本人提供)

 そんな松本は、しだいにこう考えるようになった。

「こんなに楽しい趣味を諦めるなんてもったいない」

「自分に何かサポートできることはないだろうか」

 そして、移動と宿泊が同時にできる「キャンピングカーレンタル」をはじめることを決意した。

登山仲間にも、色々と相談しました。もちろん、ヒロシさんにも。実はヒロシさんも、キャンピングカーレンタルを副業でやろうと思ったことはあるみたいなんです。でも、経費がかかりすぎるから諦めたそうです。ヒロシさんは、『キャンピングカーはニーズがあるから絶対やったほうがいい』と言ってくれました。『車を持っていない大学生、若いカップルや夫婦は都会にはたくさんいる。だから、できれば絶対に都内でやってほしい』と。困っている人たちに、車貸してあげてくださいって言ってくれました。貴重なアドバイスをいただけました」

 いてもたってもいられなくなった松本は、スケッチブックに、理想のキャンピングカーの絵を書くなどして、構想をじっくり練った。運転に慣れていない人でも乗りやすいように、キャンピングカーの大きさは「大型」ではなく「軽」にしたほうが良いなど、アイデアがどんどん湧いてきた。

 色々な車を探すうち、構想に最も近かったのが、軽トラックの後ろにテントを設置した「バグトラ」という車だった。「フォルムも面白いし、何だかかわいい」、ひと目見て、この車にしようと決めた。調べてみると、バグトラをレンタルできるお店は都内でも稀で、競争相手が少なかったことも、気持ちを後押しした。

 だが、問題もあった。バグトラを購入しようにも取り扱っている店舗が少なかったのだ。松本はネットで見つけた青森県にあるカーショップに電話をかけた。「もしもし、松本明子と申します!」、電話口のスタッフは驚いたという。

「いきなり電話がかかってきたら、そりゃ誰でも驚きますよね(笑)。『タレントの松本明子さんですか!?』って、びっくりしていました。昔から思いついたら、すぐに行動を起こすタイプなんです。青森県のお店で紹介してもらった横浜のお店にも、後日アポ無しですぐに行きました」

 最終的には、バグトラ2台と、アメリカのスクールバスをイメージした軽バン2台の購入を決断し、計4台を揃えることに決めた。

暮らしとモノ班 for promotion
「昭和レトロ」に続いて熱視線!「平成レトロ」ってなに?「昭和レトロ」との違いは?
次のページ