タレントの松本明子(55)が今年3月から副業としてキャンピングカーのレンタルをスタートさせた。松本明子といえば、バラエティ番組を中心にテレビタレントとして活躍する姿をイメージする人も多いだろう。1992年に始まった「電波少年」(日本テレビ系)のMCとして人気を集め、松本自身もアポ無しの危険なロケに幾度となく挑戦した。その後も数々のバラエティ番組で多才な話術を武器に活躍を続けてきた松本が、なぜキャンピングカーレンタル事業に乗り出したのか。本人に話を聞いた。
松本が登山やキャンプなどのアウトドアの趣味に興味を持ち始めたのは2年前だという。世間のアウトドアブームの過熱や芸人・ヒロシのYouTubeチャンネルが注目されたことなどの影響もあり「徐々に興味が湧いた」と話す。
当初は、関東近郊にある低山に登る程度だったが、経験していくうちに、「もう少し本格的な登山もしてみたい」と思うようになった。そこで昨年9月、標高およそ2700メートルの北アルプス「唐松岳」に初挑戦した。
「まだ9月だったのに、すごく寒かったのを覚えています。天気もあまり良くなかったので、ブルブル震えながら、結局往復7時間半くらいかかりました。大変でしたけど、頂上で見た景色は、今でも忘れられないくらい絶景で、ほんとうに感動しました。登山やキャンプがますます好きになりました」
新型コロナウイルスの影響で連日暗いニュースが飛び交い、自身も元気をなくしていた。そんな沈んだ気持ちが登山で嘘のように吹き飛んだという。
松本は、この唐松岳の登山をきっかけに「できるだけ多くの人に、自分と同じような体験をしてもらいたい」、そんな風に考えるようになった。同時に、あることにも気づかされた。それは、都会に住んでいる人にとって、登山やキャンプなどは決して手軽な趣味ではないということだった。
「東京にいると、免許を持っているけど、車は持っていない人も多い。遠方へ登山に行こうと思っても、新幹線代はかかるし、現地に前乗りすれば宿泊代もかかる。新幹線を降りた後、登山口へ行くまでには、電車やバスを乗り継ぐなどの手間や時間もかかる。大きなリュックを背負って移動している女の子たちを見ていると、『ちょっとかわいそうだな』って思って…。もしかすると、この『お金』と『手間』のせいで、登山やキャンプを断念してしまう人はけっこう多いんじゃないかと思ったんです」