シェアの高い「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」は新興国27カ国、1406銘柄に投資。韓国を新興国に含めているのが特徴だ。
一方、「FTSEエマージング・インデックス」が対象にしているのは24カ国。小型株までフォローしているので銘柄数は1860銘柄である。
メジャーなMSCIを指標とした新興国株式の投信で、信託報酬の低さもあり人気なのは「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」。三菱UFJ国際投信のもので、信託報酬(年間コスト)は0.187%である。
そしてFTSEの指数に連動するほうの代表格は「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」。こちらの信託報酬は0.176%と、やはり格安である。
新興国株式の投信は、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」か「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の2択となるだろう。
では、この2本で迷ったら? 信託報酬が安いのはSBI・新興国株式。純資産総額が多いのはeMAXIS Slim新興国株式。肝心のリターンに大差はないので、決め手に欠ける。
大きな差は、韓国の株が入っているかいないか。eMAXIS Slim新興国株式には韓国株が入っており、SBI・新興国株式には入っていない。よって、韓国の成長も享受したいかどうかで選べばいいだろう。
最近はクレジットカードのポイントで投信を買えるネット証券が登場している。楽天証券は楽天カードで投資信託を積み立てると1%のポイントがもらえる。SBI証券は三井住友カードで0.5%(2021年12月10日までは最大3%)だ。
なお、アエラ増刊「AERA Money 2021秋号」では、つみたてNISAで買える「新興国株式」の投信全10本を、規模/コスト/リターン/運用効率/リスクの5項目で忖度なしに100点満点で独自採点。そのランキング結果を公表している。
◎山本憲将(やまもと・のりまさ)/SMBC日興証券 アセットマネジメント・保険マーケティング部長。1994年にSMBC日興証券(当時の社名は日興證券)入社。「場立ち」がいた頃の証券取引所を知る、この道27年の大ベテラン
(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)
※『AERA Money 2021秋号』から抜粋